こんにちは。はむりん(@LifeScience178)です。
2020年1月に個人事業主として開業し、本業の給与収入とは別に、不動産賃貸業などで副収入を得ています。
これから本格的に副業を始めようとしている方にとって、「個人事業主とは何か」や、個人事業主となるための「開業届の提出方法」について、しっかりと理解しておく必要があります。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
- 個人事業主について
- 個人事業主になるための準備や心構え
- 開業日の設定方法
- 開業に必要な「開業届」と「事業開始等申告書」の提出方法
- 青色申告する場合の「青色申告承認申請書」の提出方法
書類作成を含めて手続き自体はすごく簡単。
“開業日” をいつにするかは事前に決めておきましょう。
副業など個人で稼ぎたい方は開業届を出そう
近年、サラリーマンしながら副業で稼いだり、脱サラしてフリーランスとして稼ぐ方が増えてきました。
サラリーマンの副業の重要性は、以下の記事も参考にしてください。
たとえサラリーマンとして会社で雇用されていたとしても、不動産賃貸業など、個人で事業を行う場合は、個人事業主として所管の税務署に『開業届』(正式名称:『個人事業の開業・廃業等届出書』)を提出しなければなりません。
この記事では、従業員を雇わない場合の個人事業主になるための準備や心構え、実際に個人事業主として開業する方法について、詳しくまとめていきます。
(従業員を雇う場合は、労務に関する届出・申請が別途必要になりますが、この記事では省略します)
個人事業主になるということ
個人事業主とは
個人事業主(こじんじぎょうぬし)とは、“個人で事業を行っている人” のことです。
英語で言うと… Solo proprietorship
(proprietorshipは、“個人事業” や “所有権” を意味します)
つまり個人事業主は、飲食店や美容院の経営者や独立した税理士・弁護士などのように、特定の法人や団体などとは従業員としての雇用契約を結んでいません。
では、「サラリーマンとして企業に勤めている人は、個人事業主にはなれないのか?」と思われるかもしれませんが、答えは「No」です。
本業でサラリーマンとして働いている方も、個人事業主になることが可能です。
むしろ、副業として何らかのビジネスを行っているサラリーマンが個人事業主になることによって、事業に関連する支出が経費として認められたり、特別な控除があったりと、税制上の優遇を受けることができるなどのメリットがあります。
しかし、「事業」というからには、帳簿の記録(簿記)、簿記を使ったお金の流れの記録(経理)を行った上で、然るべき税金を納めなければならない(納税)ことが、法律で義務付けられているため、開業前に簿記・経理・税務について学んでおくことが望ましいです。
ただし、これらは税理士にアウトソーシングすることも可能なので、必須とまでは言えませんが、事業の経営状況を把握・理解する上でも、書籍などで勉強し、できれば自分で帳簿付けをしてみることをおススメします。
なお、税理士と顧問契約を締結した場合の費用については、税理士事務所によって大きく異なるので一概には言えませんが、月額1万円+決算期(確定申告)6~10万円として年額20万円程度が相場ではないでしょうか(この費用は、「税理士報酬」として経費計上できます)。
日常的な帳簿付けは自分で行い、確定申告のみ税理士に委託することでコストを抑えることもできますし、無料の税理士相談会を利用して申告も自分で行ってもいいですが、くれぐれも申告漏れなどのミスがないようにしましょう。
それでは次に、個人事業主になる前の準備ついて、まとめていきます。
個人事業主になるための準備
前述の簿記・経理・税務については、開業後に実戦形式で学んでいっても遅くはありませんが、以下のものは事前に準備しておく良いでしょう。
① 印鑑
・実印
役所や金融機関における手続き、公正証書の作成に利用します。
作成したら住所地の市区町村で、印鑑登録しましょう。
・銀行印
銀行での口座開設や融資手続き、支払い手続きに利用します。
・角印
見積書や領収書の発行など、事業の様々な場面で利用します。
② 銀行口座
銀行印を作成したら、事業用の銀行口座を開設します。
プライベート用の口座と併用してもいいですが、分けておいた方が管理しやすいです。
銀行によっては “ビジネス用” として作成してくれます。
(通常の普通預金口座と特に違いはありません)
③ 名刺
事業用の名刺を作成しておきましょう。
業者に委託してもいいですが、ネットで無料で利用できる名刺用のテンプレートがあるので(例, 下の関連リンク)、PCとプリンターを使って自作すると安く作成できます。
④ 事務用品
・ファイル
見積書・注文書・納品書・請求書・領収書などの取引書類を保存しておくためのファイルを用意しておきましょう。これらは “証ひょう” といい、帳簿や決算書類と一緒に、原則として紙媒体での原本を一定期間保存(青色申告の場合、5~7年)しなければなりません。
・帳簿(PCがある方は会計ソフト)
青色申告の場合、仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・預金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳といった各種帳簿の作成・保存が必要です。十分な簿記の知識があれば、紙媒体で記帳していってもいいですが、『弥生』などの会計ソフトを用いれば、基礎的な知識だけで確定申告まで自分で行うことも可能です。
個人事業主になるには?
個人事業主になるには、開業日を決め、開業日から1ヶ月以内に税務署に『個人事業の開業・廃業等届出書』を提出する必要があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
開業日はいつにするべき?
開業日は、実際に事業を開始した日になります。
次に述べる開業届にも、開業日を記入しなければならないため、届出の前にあらかじめ開業日を決めておく必要があります。
客観的に特定の日を開業日として判断することは難しく、開業日決定に関する明確なルールもありませんので、事業実態との解離がそれほどなければ、「この日!」というのを自分で決められます。
(ただし、許認可が必要な業種や資格の登録が必要な士業の場合は、許認可日や資格登録日以降を開業日とする必要があります)
例えば、不動産賃貸業の場合は、「物件を探し始めた日」や「物件を購入(売買契約や決済)した日」とする場合が多いようです。
以下、氣学や縁起を大切にされる方に向けたお話になりますが、縁起の良い日や開運日を開業日にしても良いのではないでしょうか?
私の場合、2020年から不動産賃貸業などの個人事業を開始しましたが、開業日は、2020年で最強の開運日とされる “天赦日” と “一粒万倍日” が重なる2020年1月22日にしました。
気になる方は、Google で「開運日 20xx年」と検索してみましょう。
開運日には、前述の “天赦日” や “一粒万倍日” 以外にも、“寅の日”、“巳の日”、“甲子の日” などがあり、その意味を調べてみるだけでも面白いです。
開運日とは逆に、“不成就日” という、何事も成就しないとされる日もありますので、開業に関わらず、何か事を起こすことを意識して避けるというのもいいかもしれません。
ただし、開運日にとらわれて行動できないのは本末転倒なので、縛られすぎないようにしましょう。
開業届を税務署に提出しよう
①『個人事業の開業・廃業等届出書』の提出(税務署)
個人事業主になるには、納税地の税務署に行き、『個人事業の開業・廃業等届出書』に必要事項を記入・押印して、提出するだけです。
印鑑(認印でOK)を忘れないようにしましょう。
税務署の所在地は、以下の国税庁ホームページから調べてみてください。
『個人事業の開業・廃業等届出書』は、税務署にもありますが、以下の国税庁ホームページからもダウンロードできるので、あらかじめ印刷・記入(または必要事項を把握)しておけば、提出の際の手続きがスムーズに進みます。
もし記入方法が分からなくても、税務署に常駐する税理士さんが、記入方法を丁寧に指導してくれます。
また、税務署に用意してある様式を用いれば、複写式になっているので「控え」として持っておくことができます。
この開業届の「控え」は税務署の受領印が押してあり、「開業の証明書」として、事業を進める上で様々な手続きで利用します。
開業届の提出期限は?
『個人事業の開業・廃業等届出書』の提出期限は、開業日から1ヶ月以内とされています。
届出書には “提出日” を記入しなければなりませんので、開業日はそれから遡って1ヶ月以内ということになります。
(ただし、必ずしも開業日から1ヶ月を過ぎたら受理してもらえないというわけではありません)
開業届以外の届出
所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出しよう
②『所得税の青色申告承認申請書』の提出(税務署)
事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかの所得があれば、青色申告の対象になるため、青色申告を希望する場合は『所得税の青色申告承認申請書』を税務署に提出しましょう。
青色申告で個人事業主を行うことを決めている場合は、『個人事業の開業・廃業等届出書』と一緒に『所得税の青色申告承認申請書』も提出した方が、二度手間にならなくて良いと思います。
(開業届に、青色申告承認申請書の提出の有無に関する欄もあります)
『所得税の青色申告承認申請書』の提出期限は、以下の通りです。
- 1月1日~1月15日までに個人事業を開始した場合
3月15日までに提出
-
1月16日以降に個人事業を開始した場合
開業後2か月以内に提出 -
白色申告から青色申告に変更する場合
3月15日までに提出
事業開始等申告書を税事務所に提出しよう
③『事業開始等申告書』の提出(都道府県税事務所)
『個人事業の開業・廃業等届出書』を税務署に提出したら、次に、『事業開始等申告書』を都道府県税事務所(または市町村役場)に提出しましょう。
事業を開始したことを都道府県(または市区町村)に報告するための申請手続きになります。
用紙は事務所に用意してあるので、たいていの場合、1枚のA4用紙に必要事項を記入・押印するだけなので、数分で終わります。
『事業開始等申告書』の提出期限は、各都道府県で定められていますが、開業後すみやかに(例えば、『個人事業の開業・廃業等届出書』を税務署に提出したその日に)提出しましょう。
まとめ
個人事業主になるために必要な手続きについて、全体的な流れをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
個人事業主を青色申告で始める場合には、次の3種類の書類の提出が必要です。
- 『個人事業の開業・廃業等届出書』(税務署)
- 『所得税の青色申告承認申請書』(税務署)
- 『事業開始等申告書』(都道府県税事務所)
サラリーマンなど、普段から税務署に出入りしない方にとっては、税務署で手続きをするとなるとハードルが高く感じられるかもしれませんが、税務署では税理士さんが電話や対面で親身に相談に乗ってくれます。
自分がわからないポイントなど、質問事項をメモにまとめて、まずは税務署に足を運んでみるというのも、大切な行動の一つです。
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