睡眠のカギを握るのはメラトニン!睡眠負債をなくし、心身健康に!

快眠 医薬・生物学
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近年、睡眠” に注目が集まっており、数多くの関連書籍も出版されています。

今回は、良質な睡眠とは何かについて、科学的根拠に基づいて執筆された書籍等をヒントに、まとめていきたいと思います。

良質な睡眠には、適切な 睡眠時間” を確保するだけでなく、人体のサーカディアンリズムに基づいて理想的な “時間帯” に睡眠をとることが重要です。

それぞれについて詳しく述べていきます。

睡眠時間を十分に確保しよう

近年、睡眠に関する本が多数出版されています。
以下に列挙する代表的な本においては、いずれも7時間程度の睡眠時間を確保することが推奨されています。

 7~8時間

 7時間以上

 7時間38分

サーガディアンリズムを意識しよう

人体には体内時計が備わっており、その体内時計によってコントロールされているサーカディアンリズムというものがあります。

人体では、活動的になる昼と休息をとる夜、それぞれに適したイベントが起こります。
下の図を見てもわかるように、21時以降の夜間は、人体の成長・修復・恒常性維持に重要であり、この時間帯を意識して睡眠をとることが重要です。

circadian rhythm

上の図中において、睡眠と密接関係のある重要なキーワードがいくつか出てきます。

〇体温
就寝につく90分前に入浴(40度のお湯に15~20分間)しましょう。
そうすることによって、上昇した体温が低下し(湯冷め)、眠りに適した体温になると考えられています。

〇食事
消化器系の活動性が高くなると睡眠に悪影響を及ぼすため、就寝につく2時間(できれば3時間以上)前に食事を済ませましょう。
ちなみに睡眠を妨げるカフェインの分解には6~8時間要するため、カフェイン入りの飲み物(コーヒー、お茶、エナジードリンク)は夕方以降に飲まないようにしましょう。

メラトニンの重要性

高等動物にとって極めて重要なホルモンであるメラトニンの分泌も、サーカディアンリズムによって制御されています。
メラトニンは松果体で生成されますが、網膜への光刺激によってその生成が阻害されるため、21時以降はできるだけ暗い環境で過ごしましょう。

また、朝に日光を浴び、昼間に明るい環境で生活することで、メラトニンを分泌する量と時間が適切に制御されるため、自然の明暗リズムに基づく規則正しい生活するを心掛けることが大切です。

つまり、起床時刻も大切ということです。

また、入眠後90分間は、成長ホルモンが一過的に大量分泌されるゴールデンタイムとされており、自律神経を整え身体を修復するために特に重要な時間帯とされているため、眠りはじめに良質な睡眠を取ることを心がけましょう。

melatonin

ラトニンの効能は、以下の通りです。

・体に「夜」が来たことを知らせる
・良質な睡眠をもたらす
・免疫力を高める
・抗酸化作用で老化をゆるやかにする(アンチエイジング)
・成長ホルモンの分泌を促進する

生活リズムを整えることによってメラトニンの分泌制御が正しく行われることが理想ですが、メラトニンの分泌量は幼少期をピークとして加齢とともに減少していきます。
年をとると睡眠時間が短くなったと実感される方も多いと思います。

では、サプリメントで補えばいいのでは?と思われるのではないでしょうか。

ところが、メラトニン入りのサプリメントは日本では販売されておらず、海外からしか取り寄せることできません。

iHerbというサイトから、1人あたり1個までの制限で購入することができます。

このサプリメントの1つに「Life extension(=寿命延長)」と記載してあることからも、メラトニンがアンチエイジングにに大切なホルモンであることがうかがえます。

それ故に、用法(特に、飲むタイミング)・用量は厳守してください。

睡眠負債とは

これまで述べてきたように、適切な時間とタイミングで睡眠を確保すること大切です。
睡眠とは日常的に取り入れるものですので、それに障害が生じると、睡眠負債に繋がります。

睡眠負債は過去のテレビ番組でも取り上げられています。

また、以下の公式サイトから睡眠負債リスクをチェックできるので、是非してみましょう。
 → 睡眠負債が危ない~”ちょっと寝不足”が命を縮める~(NHKスペシャル)

 日常的な睡眠不足による影響

 ・物忘れが多くなる
 ・集中力の低下
 ・判断力の低下
 ・応答時間の延長
 ・単純ミスが多くなる
 ・怒りっぽくなる
 ・刹那的になる
 ・血圧が高めになる
 ・風邪をひきやすくなる
 ・太りやすくなる 

 睡眠不足の常態化によるリスク

 ・認知症
 ・うつ病
 ・高血圧症
 ・糖尿病
 ・がん
 ・肥満

睡眠時間と風邪の発症率も関係があります。

被験者に風邪ウイルス(ライノウイルス)を経鼻投与したところ、風邪の罹患率は、平均睡眠時間が7時間以上のグループは17.2%、平均睡眠時間が5時間未満のグループは45.2%でした(Parther et al. SLEEP, Vol.38(9), 2015)。

睡眠時間が短くなることによって、風邪の罹患率が2.6倍高くなったということを示しています。

睡眠不足と風邪

ただし、睡眠時間が長ければ長い方が良いというわけでもなく、睡眠時間が長いと死亡リスクが高いという研究結果もあり、最適な睡眠時間は、やはり7時間程度であると言えます。

睡眠時間と死亡リスク

睡眠の重要性はわかり、睡眠にあてる時間は確保できるものの、「思うように眠れない」という方もいらっしゃると思います。

睡眠に障害があるか気になる場合は、医師に相談して、必要なら睡眠薬を処方してもらうというのも、選択肢の1つです。
その場合は、睡眠薬の性質を正しく理解するとともに、医師や薬剤師の指導のもと、用法・用量を正しく守ることを心がけましょう。

また、睡眠に関連したアプリもありますので、自分の睡眠について解析・管理するのも良いと思います。

また、YouTube 等でリラックス効果のある音楽を聴きながら眠りにつくのも、是非試してみてください。
「睡眠」「リラックス」「音楽」「ヒーリング」「癒し」「自律神経」等のキーワードを組み合わせて検索することで、たくさんの動画がヒットします。

注目の睡眠グッズ

ブレインスリープピロー

”脳が眠る枕”という謳い文句で、株式会社ブレインスリープから販売されています。

同社の代表取締役は、書籍「スタンフォード式最高の睡眠」の著者である医学博士・西野精治先生が務められています。

お笑い芸人・サバンナ高橋さんによる紹介動画はこちら。

まとめ

21時以降できるだけ早めに就寝につき、7~8時間程度の睡眠時間を確保した上で同じ時刻に起床し、自然のリズムと連動した明暗環境で過ごすことが、心身の健康を維持するために大切です。

特に、休日の寝だめはやめましょう。

 参考:睡眠学入門ハンドブック(日本睡眠教育機構)

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