モスキート音の聞こえ方には個人差がありますが、その理由を簡単に説明します。
人間の可聴周波数域は、耳の “蝸牛 (かぎゅう)” という器官にある “有毛細胞 (ゆうもうさいぼう)” の状態が関係しています。
音によって刺激された有毛細胞は、その音の情報を電気信号に変えて脳に伝えます。
蝸牛の入り口付近にある有毛細胞は高音に反応し、奥にある有毛細胞は低音に反応しますが、音は耳の外から入ってくるため、高音に反応する有毛細胞の方が刺激にさらされやすくなります。
刺激によって有毛細胞が減っていくと聴力が衰えていきますが、有毛細胞は新しく作られたり再生することはないため、有毛細胞の減少によって失われた聴力は元に戻ることはありません。
このようなメカニズムによって、加齢に伴う経年劣化によって有毛細胞が減少していくと、高音域の音から徐々に聞こえづらくなっていき、中高年にもなるとモスキート音が聞こえなくなります。
モスキート音が聞こえなくなる原因は年齢だけではなく、日常的に強い音の刺激にさらされることによって、聴力の劣化スピードが速まると考えられています。
加齢による聴力の衰えを避けることは難しいですが、イヤホンで大音量で音楽を聴くことを控えるなど、耳への過剰な刺激を避けて耳年齢を若く保つことを心がけましょう。
コメント