【耳年齢】モスキート音が聞こえない理由とは?原因は年齢だけ? 医薬・生物学 X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.09.082021.09.13 スポンサーリンク 目次 人間が聞き取れる周波数は?モスキート音とは?耳年齢をチェックしてみよう加齢でモスキート音が聞こえなくなる理由は?モスキート音の応用事例まとめ 人間が聞き取れる周波数は? 人間の聞き取れる周波数の範囲(可聴周波数域)は、20 ~ 20,000 Hz(ヘルツ)と言われています。周波数(Hz)は音の高さであり、数字が大きいほど高い音になります。人間は、20代あたりから加齢とともに聴力が低下し、高い周波数の音が徐々に聞きづらくなっていきます。つまり、可聴周波数域を調べることで “耳年齢” をチェックすることができますが、その時に利用されるのが「モスキート音」です。 モスキート音とは? モスキート(mosquito)は、日本語で “蚊” を意味します。モスキート音(mosquitone)は、17,000 Hz 前後の高い音で、蚊が耳元付近で飛んでいる時に聞こえる「キーン」という羽音が語源となっています(実際の蚊の羽音の周波数は 350~600 Hz)。この17,000 Hz 程度の音は、「若者には聞こえて、中高年には聞こえない」とされているため、加齢性難聴になると聞き取りにくくなります。 耳年齢をチェックしてみよう 次の動画で、耳年齢をチェックしてみましょう。周波数が連続的に変化するので、どの周波数まで聞き取れるか確かめてみてください。 加齢でモスキート音が聞こえなくなる理由は? モスキート音の聞こえ方には個人差がありますが、その理由を簡単に説明します。 人間の可聴周波数域は、耳の “蝸牛 (かぎゅう)” という器官にある “有毛細胞 (ゆうもうさいぼう)” の状態が関係しています。 音によって刺激された有毛細胞は、その音の情報を電気信号に変えて脳に伝えます。 蝸牛の入り口付近にある有毛細胞は高音に反応し、奥にある有毛細胞は低音に反応しますが、音は耳の外から入ってくるため、高音に反応する有毛細胞の方が刺激にさらされやすくなります。 刺激によって有毛細胞が減っていくと聴力が衰えていきますが、有毛細胞は新しく作られたり再生することはないため、有毛細胞の減少によって失われた聴力は元に戻ることはありません。 このようなメカニズムによって、加齢に伴う経年劣化によって有毛細胞が減少していくと、高音域の音から徐々に聞こえづらくなっていき、中高年にもなるとモスキート音が聞こえなくなります。 モスキート音が聞こえなくなる原因は年齢だけではなく、日常的に強い音の刺激にさらされることによって、聴力の劣化スピードが速まると考えられています。 加齢による聴力の衰えを避けることは難しいですが、イヤホンで大音量で音楽を聴くことを控えるなど、耳への過剰な刺激を避けて耳年齢を若く保つことを心がけましょう。 モスキート音の応用事例 「周波数の高い音は若者にしか聞こえない」ということを利用して、深夜に公園でたむろする若者を「モスキート音」で撃退しようとする試みが、東京都足立区の「区立北鹿浜公園」で実施されたようです。 これは大人が利用した例ですが、若者が利用した例もあります。 それは、生徒が携帯の着信音を「モスキート音」にすることで、授業中に先生には聞こえないようにしたというものです。 周りの生徒からしてみたら、着信のたびに「キーン」と高い音が聞こえるのは不快だと思いますが、ずる賢いうまいことを考え付くものです。 このように「モスキート音」をめぐっては、聞こえる者と聞こえざる者との間で闘争が繰り広げられているようです。 まとめ モスキート音について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。前述で紹介した動画やスマホのアプリを使って、耳年齢をチェックしてみてください。モスキート音が聞こえなくなっても日常生活には支障ありませんし、一般的な聴力レベルより低くても(耳年齢が老いていても)、個人差があるためがっかりする必要はありません。耳に過剰な負荷は与えないように気を付けて生活し、もし気になるようであれば耳鼻科で診てもらいましょう。
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