【気象】線状降水帯とは?原因や発生しやすい場所はある?

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2020年7月に九州地方を中心に深刻な豪雨被害をもたらし、気象ニュースでも「線状降水帯」という言葉をよく耳にしました。

線状降水帯とは、何なんでしょうか?

気象庁によって、以下のように、わかりやすく解説されています。

線状降水帯(せんじょうこうすいたい)

次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ 50~300 km 程度、幅 20~50 km 程度の強い降水をともなう雨域

(引用:気象庁ホームページ

簡単に言うと、ゲリラ豪雨のような大雨を、広範囲かつ長時間にわたって降らせるような雲の連なりのことです。

英語では何という?

2017年の毎日新聞の英語版記事 では “linear rainbands” との表記があります。

ネットでは “Training” とする情報もあります。

ただし、学術的にどのような英語が使われているかは、はっきりとした情報は見当たりませんでした。

いつから使われている用語なのか?

あまり馴染みのない言葉ですが、使われ始めたのは2000年あたりからということです。

発生するとどうなる?対応は?

線状降水帯が発生すると、気象庁から “大雨特別警報” や、各自治体から “記録的短時間大雨情報” が出されることも多く、発生地域の雨雲レーダーが真っ赤になります。

このような状況下では、河川の氾濫土砂災害の危険性が高まり、最も深刻な場合においては、命を守るための行動が必要となります。

警報は警戒を呼び掛けるものですが、“記録的短時間大雨情報” は、数年に一度レベルの大雨が既に降ったことを伝える情報なので、気象庁の行動フロー(下の画像)などを参考に早めに対応しましょう。

このように大雨に関する発表があったら、お住いの地域の “河川の水位” や “土砂災害の危険度” などの情報を自分から取りに行くことも重要です。

気象庁が公開している「キキクル(危険度分布)」を利用することにより、どこで災害発生の危険度が高まっているかを調べることができます。

→ 関連リンク(気象庁)

河川の水位は、鉄砲水のごとく一瞬で上昇することもあるため、危険水位まで余裕があったとしても、決して河川の状況を見に行ったりしないようにしましょう。

取るべき行動は、 “避難準備” または “避難行動” です。

少し具体的に補足しておくと、河川の氾濫や洪水、土砂災害の危険性が高まると、気象庁からそれらの “警戒レベル” も発表されます。

気象庁から発表される警戒レベルには5段階あり、それぞれのレベルでどのような行動を取るべきかについては、下の画像を参考にしてください。

最も深刻な “緊急安全確保” が発令されたら、一刻の猶予もありません。
直ちに安全確保するための避難行動を
全集中で開始してください。

発生しやすい場所と時期は?

近年では、次のような豪雨被害をもたらしています。

平成24年7月の九州北部豪雨
平成25年8月の秋田・岩手豪雨
平成26年8月の広島豪雨
平成27年9月の関東・東北豪雨
平成29年7月の九州北部豪雨
平成30年7月の西日本豪雨

特にここ数年、7月~9月の暖候期に西日本で好発し、東北や関東でも数年に1回の頻度で発生しています。

発生メカニズムや原因は?

発生メカニズムは完全には解明されていないようですが、発生しやすい条件として次の4つがあげられるそうです。

① 雲の元となる暖かく湿った空気が流入する
② 山や冷たい前線とぶつかるなどしてその空気が上昇する
③ 積乱雲を生みやすい不安定な大気状況である
④ 発生した積乱雲を流しながら新たな積乱雲を生むための一定方向の風が吹く

積乱雲単体での寿命は1時間程度ですが、これらの条件が揃うと下の図のような “バックビルディング(後方形成)” と呼ばれる現象が起きて、次々と積乱雲が発生し続けるようです。

backbuilding0

このバックビルディング型の他にも、線状降水帯の内部構造によって “スコールライン型 “バックアンドサイドビルディング型 と呼ばれるものに分類されるそうです。

今後、「発生」「発達」「維持」「衰退」の詳細なメカニズムを明らかにすることが、学術的のみならず、防災の観点からも重要であると考えられます。

発生は予測できるの?

線状降水帯は特別警報級の豪雨をもたらし、人命に関わるため、その発生を予測できるかどうかということが、防災のために重要です。

これまで、線状降水帯の発生を事前に予測することが困難であったことから、気象庁は線状降水帯の予測精度向上を目的として、2020年12月23日に “線状降水帯予測精度向上ワーキンググループ” を発足させました(関連リンク参照)。

国が主導して線状降水帯の研究に取り組むことによって、“予測” に関する知見も蓄積されてきたようです。

線状降水帯の発生メカニズムで説明した通り、発生のカギを握るのは、“湿った空気” の流入です。

つまり、発生を予測したい場所の風上における水蒸気量のデータが必要となります。

しかし、特に九州地方においては、風上にあたるのが東シナ海など海上であるため、従来の気象観測システムでは詳細な水蒸気量データの取得が困難であるという課題がありました。

そこで、気象庁をはじめとする研究チームが、観測船「凌風丸」を東シナ海上に派遣し、そこでの水蒸気量データを収集したり、それと実際に発生した豪雨データを相互参照しました。

その結果、予測値と実測値が近づいてくるなど、予測精度の向上が認められ、気象庁は、線状降水帯の発生予測には海上観測が有効であると判断しました。

以上の成果に基づき、2021年の夏ごろから、線状降水帯が好発する九州地方において、線状降水帯の発生を事前に予測できた場合には、発表して注意を呼び掛けるそうです。

まとめ

「線状降水帯」について簡単にまとめてみましたが、いかがでしたしょうか。

近年、日本国内で線状降水帯が毎年のように発生しているのは、一説では地球温暖化が原因ともされているようです。

確かにここ数年は、過去に経験したことのないような豪雨のニュースをよく耳にします。

日頃から、自分の行動範囲のハザードマップをしっかりと理解したり、防災アプリをスマホにインストールしておくことで、有事の際に、冷静かつ適切な行動がとれるように準備しておくことが大切ですね。

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